日々の忙しさの中で、「なんとなく身体がだるい」「お腹が張ってすっきりしない」といった不調を感じたとき、皆さんはどうされていますか?「とりあえず市販の薬を飲んでおこう」と、手軽に薬に頼ってしまう方も多いのではないでしょうか。
薬は辛い症状を一時的に抑えてくれる頼もしい味方ですが、実は薬に頼る一歩手前で、私たち自身ができる大切なアプローチがあります。それが、いま国も推奨している「セルフメディケーション」という考え方です。
今回は、医療の現場に立つ薬剤師の視点から、薬に頼りきらない身体を作るための「正しいセルフメディケーション」と食事の深い関係について解説します。
そもそも「セルフメディケーション」ってなに?
セルフメディケーションとは、世界保健機関(WHO)において「自分自身の身体の不調は、自分で手当てをし、自ら健康を管理すること」と定義されています。
単に「風邪をひいたら自分で市販の薬(OTC医薬品)を選んで飲む」ということだけではありません。本当の意味でのセルフメディケーションとは、「病気になる手前のサイン(未病)に気づき、日々の生活習慣や食事によって身体をベストコンディションに整えること」にあります。
最大のセルフメディケーションは「食事」
薬剤師として多くの患者様と接する中で痛感するのは、「薬を足す」ことばかりに目が向き、不調の原因となっている「毎日の食事」が見過ごされがちであるという現実です。
例えば、慢性的なお腹の張りやだるさに対して、毎日のように胃腸薬や栄養ドリンクを「足す」習慣を続けていても、根本的な原因が解決していなければ身体は変わりません。
そこで試していただきたいのが、食事の見直しです。
現代の食生活において、知らず知らずのうちに腸の負担になっているかもしれない「小麦(グルテンや高FODMAPな糖質)」を、まずは2週間だけ少し減らしてみる。
「原因となっているかもしれない食材を控えてみる」。自分の身体の調子を感じ取りながら調整していくことがセルフメディケーションのひとつなのです。
自分の身体の「一番の理解者」になろう
人間の身体は一人ひとり異なり、何が合っていて、何が負担になるかの正解は1つではありません。お薬に一人ひとり相性があるように、食事にも大きな個人差があります。
医師や薬剤師、そして薬は、あなたの健康をサポートする「お手伝い」しかできません。あなたの身体の声を24時間聴き、毎日の食事を選び、実際に健康を作っていけるのは、世界中であなた自身だけです。
「なんだか調子が悪いな」と感じたら、まずは昨日・今日食べたものを振り返ってみる。そして、身体が喜ぶ選択を自ら選んでいく。
美しく健やかに年齢を重ねていくための新しい習慣として、まずは今日の一食から、自分を労るセルフメディケーションを始めてみませんか?
【免責事項】
本コラムは健康知識の提供およびセルフメディケーションの啓発を目的としており、医師の診断や治療に代わるものではありません。数日経っても症状が改善しない場合や、激しい痛み、持病のある方は、自己判断での処置を避け、必ず医療機関(医師・薬剤師)を受診してください。
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